たとえ小さくても、自主独立

プレマルシェ・ジェラテリアの母体は自然食の流通を行うプレマ株式会社であることは、この場でもよく書かせていただいているとおりです。

プレマ株式会社はいわゆる2代目、3代目ではなく、20年経っていない比較的新しい会社ですが、歴史がそれほど長くない分、誰の指図を受けることもなく、また何かを忖度(そんたく)することもなく、自由奔放に我が道を進ませていただくことができました。外部出資も一切受けていませんので、お金のために魂を売る必要はありません。

この一方で、最近は自然食をベースにする大先輩企業が、どんどん別の大資本に吸収されていくというさまをみてきました。NTTさんにらでぃっしゅぼーやさんが吸収され、おいしっくすさんに大地さんが、他にも例を挙げることはいくらでも可能です。

これをどう解釈するかというのは立場によって全く違いますが、どのケースも本業である自然食流通で非常に厳しい状態が続き、それを好機とみたさらに広範な顧客名簿や資金力をもつ企業が、その自然食企業の信用力と真っ当な生産者との関係を買い取り、より大きなビジネスに拡大しよう、という目論見のもとでこれらの買収は実行されていくわけです。

真っ直ぐすぎる自然食の流通自体で利益が出せず、もうすでに持続可能ではなくなりつつあるという実態があってこその出来事であって、正直、他人事ではありません。

そんな折、アメリカでは知らない人がいないオーガニックスーパーであるWholefoods MarketがAmazonに超巨額で買収されることが発表されました。日本での動きは数百億円までの出来事でしたが、今回のアメリカの件は何兆円というレベルの話しで、両国の間のオーガニックの市場規模に大きな格差があることを思い知る一方、日本の自然食業界もこの先どうなっていくのかなという複雑な気持ちを感じざるを得ません。

全く企業風土が違い、目指しているところも違う企業が飲み込まれ、または買収されていくということは、何かが薄まっていく、ということであり、その何か、とは、自然食を志す企業にとって最も大切なことなのです。資本主義の弱肉強食の枠組みのなかで、飲み込まれるということは、つまりゆるやかな消滅でもあるわけで、どちらがより強く生き残り、どちらが消えゆくのかは火を見るより明らかです。

気がつけば、周りは抗えない何かに飲み込まれてしまったところばかりが目立つようになってきました。

私は、会社を身売りしたり、上場を目指して利益を出すことを最優先にすることよりも、お客様とスタッフ、お取引先が小さくてもささやかに幸せでいられる方向を志すことを決めて、もうずいぶん時間が経ちました。そのチャレンジが自社自然食シリーズの確立であり、このジェラテリアを含めた自社製造、自社の枠内で取り組める農業、自社で直接取り組む海外事業などです。誰かのご機嫌やお金の論理だけに左右されることもなく、ひたすら真っ当にやり続けると決めた以上、規模は全くもって未だ小さなものにすぎません。

世界には、人口数億人以上の巨大な国家から、数千人から数十万人規模の国家まで、いろいろな国があります。自国の文化風土を守りつつも、国民総幸福量の追求を目指すときめたブータンのような国もあります。先進国からは「幸福といっても、貧しければ何にもならない」「あのような幸福度調査は意味がない」「絶対王政と今も異ならない」と揶揄されながらも、絶対に下を向くことなく、原則を追求するブータンの姿勢は私には希望そのものです。ときに隣国から密かに国境を侵犯されてもなお、絶対にうつむかない、飲み込まれないのです。

そんなブータン国の国王陛下が、震災後の日本に、福島にいち早くリスクを承知で新婚旅行にきていただき、私たちを励まして下さったことは一生忘れることができません。たとえ小さくても微力でも、何の利益がなくても、ただ皆さんを祈り、応援していますという国王陛下の言葉とご夫妻の行動力は、自主独立であり続けることの大切さを教え続けてくれています。

ぜひ、その国王陛下の演説のすべてを、時間をとってご覧いただけると幸いです。

 

 

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