ほうじ茶マジック

プレマルシェ・ジェラテリアのほうじ茶フレーバー、ミルクや動物性原料を一滴も使わずに作っているのには秘密があります。

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私は、ミルクを使っても、使わなくても、どんな状態からでも素材の相性さえ良ければジェラートを織り出すことが可能ですから、ミルクベースかソルベ(シャーベット)だけ、という単調さとは無縁です。

私たちがプレマ株式会社として直接輸入をして卸売している代替ミルクだけでも、豆乳、アーモンドミルク、ヘンプミルク、ココナッツミルク、キヌアミルク、ヘーゼルナッツミルク、ライスミルク、他にも膨大な量の代替ミルクがありますし、オイルにいたっても、ここでは書き切れないくらいのバルクによる調達が世界中から可能ですので、「牛乳と果汁だけでジェラートを作る」という制約がありません。

そのうえ、プレマ株式会社は有機JAS認定輸入業者ですので、有機の素材はちゃんと有機JASマークを付与した素材として使うことができるのです。

世界中にどんな代替ミルクがあるかは、私の頭の中にたたき込まれているので、ポーズとして「ジェラートは自由」という言葉だけではなく、ほんとうの自由が広がっています。

ということで、ミルクなしはいくらでも設計ができます、ということになるのですが、ミルクは決して侮れない素材、ものによってはミルクの方が圧倒的においしく出来るフレーバーもあります。たとえばバニラテイスト。やはりバニラはミルクとの相性がよく、本格的なビーンズを煮だして作るバニラ味は、口溶け感とあいまって、ミルク使用がピカイチの仕上がりになります。でも、バニラは植物性素材だけで作ったときには大切な隠し味になり、よく使いますが、パンチのきいたバニラ濃厚フレーバーになれば、やはりミルクに軍配があがります。私たちの使っているバニラビーンズは、ウガンダの少年兵を社会復帰させる機会を提供する資金として活用されますが、実はバニラビーンズが枯渇しつつある今年、いつまで続けられるかわからず、もう調達もできなくなっていますので、在庫次第で終了になるかもしれません。

 

さて、ほうじ茶。ほうじ茶フレーバーをつくるにあたり、4カ所の茶園からほうじ茶ピューレを取り寄せて試作比較をしました。たった4カ所とお思いになるかもしれませんが、10社ほどあたり、ジェラート製造に可能な細菌数要件を満たした茶葉を持っているところで、コミュニケーションが可能だったのが4社ということで、どこでもいいのであれば試作の数だけは増やせます。でもそれでは意味がないので、製造実現可能な4社、ということになります。

届いた品を確認して、ちょっとビックリしたのが、ほうじ茶で有名な会社の素材には「着色料、香料」という表示が。ちょっと待ってください。着色料は、まあわかるとしても、ほうじ茶メインの会社なのに「香料」とは!

でも、先入観はいけません。実際にそれらも使って試作をし、スタッフ内部でプラセボ状態で香料入り、香料なしのテイスティングを行いました。結果は半々。香料入りのほうがおいしいという人も、香料なしがおいしいという人も。確かに香料入りのほうがパンチがある味で、臭いも強いのですが香りではなく、「臭い」が強いのです。

ミルクとノンミルクも複数つくり、こちらもテイスティング。こちらは圧倒的にノンミルク。つまり、香料を使う理由はミルクにあったのです。ほうじ茶だけではなく、素材の味と香りがミルクで落ちてしまうものが確実にあり、ほうじ茶で有名な会社のピューレはまさにミルク用に調整されているので、(要するに、インスタントです)、香料も着色料も必要になる、という理屈が見えてきました。

 

そして、今も試行錯誤しているのは、ある果汁を入れるか入れないか、そしてその量は、という調整です。店頭で販売しているほうじ茶も2回アップデートが入り、いや入れる、入れないでいろいろ試してみていましたが、その結果は店頭で。何を入れるか入れないかは、今のところ企業秘密ということにさせてください。

いずれにしても、私のほうじ茶における学びは、和素材の多くがミルクとの相性がそれほど良くない、という大枠での結論です。戦後、GHQが進駐してくるまでは日本人の多くはミルクを食べませんでした。私が中国にはじめていったのは約25年ほど前ですが、当時は中国の人はミルクなど飲みませんでした。雲南省の一部ではヨーグルトドリンクが飲まれていましたが、これは保存性が高いからという理由もあったと思います。今は冷蔵輸送が可能になって、中国の人も大量のミルクを消費しますが、もともと食べなかった素材であることには違いありません。

ということで、プレマルシェ・ジェラテリアのほうじ茶フレーバーは、無香料、無着色料。そしてほうじ茶感を最高に感じていただくために、ほうじ茶を限界まで使っています。

 

プレマルシェ・ジェラテリアでは和素材の多くはノンミルクで仕上げており、モンブランもまた、ノンミルクである理由の一つがこのような事情なのです。今後シーズンになれば和栗もラボで煮て提供するときが来ると思いますが、超高級な和栗の繊細さをミルクに突っ込んでしまうことはもう考えられません。あれだけ高額な素材は、ちゃんとその素材が持つ味を大切にしたいですし、ましてや栗香料を加えるなんて考えられないのです。

ほんとうに栗をおいしく食べるには和菓子。その発想を、ジェラートに持ち込むために、世界中の素材の可能性という、私の頭の中にある引き出しとして活かしていきたいと考えています。

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